金鶏山は中尊寺と毛越寺の中間に位置する標高約98mの小高い山で,現在は国の史跡に認定されている。
同山の変わった名称だが,奥州藤原氏が山頂に雌雄一対の金の鶏(または一億両分の財宝とも)を埋めたことに由来するとされており,古来より盗掘する者が後を絶たなかったのだという。
実際,昭和5年(1930年)に頂上付近が盗掘されており,その際には,同山が信仰の山であることを裏付けるかのように,経筒や壷,甕などが掘り出されたのだという。
ところで,今もまだ見つからない金の鶏(または財宝)だが,何でも,記録に残るだけで4回もの盗掘がなされているそうであるが,いずれも財宝の発見はできなかった。
しかし,話はそれだけでは終わらない。盗掘を試みた首謀者は非業の死を遂げたほか,その一族に至っても没落したり死亡するなど,不幸な運命を辿るのだと言われている。
このように,藤原一族の怨念・呪いが残りそうな同山であるが,それを裏付けるかのように,落ち武者と思しき幽霊が行列する様子がたびたび目撃されるのだという。
源頼朝に滅ぼされた奥州藤原氏の怨念は今も強く,同山に容易に入り込む