会津若松市(妖怪)
1 概要 昔,上荒井部落の中程にお宮さんがあり,そのお宮さんの前には,歳を取った二人の姥が住んでいた。 この姥屋敷の前は丁度街道で,時折旅人が通り,夜更けになると周囲に宿屋がないことから,この姥屋敷を訪ね泊めてもらっていた。 しかし,不思議な…
1 概要 慶長3年(1598年),会津の領主が上杉景勝の時代のことである。 神指村に神指城を築くため,領内から役夫が集められていたが,その役夫達の間で,諏訪神社の境内に夜な夜な「朱の盤」という化け物が現れると噂が立った。 そこで,山田角之進という10…
1 概要 会津城下の酒造屋の妻が,子供を産むために実家に戻った。その間,主人は下女を納戸にひき入れ契りを結んだ。納戸の中は灯りを消しており真っ暗であった。 ふと,主人は下女から離れた。納戸には他に誰もいないはずなのに,ギシギシと臼を引く音がす…
1 概要 越後と会津の国境を三国川が流れている。この川の両岸には柳並木が続いているが,この柳の若枝を,越後と会津の者が伐りおろし,その枝で柳細工を造る,これが柳を伐る者の特権であった。 しかしある日,この特権を巡り争いが起き,そこへ他の村の者…
1 概要 会津の山へ狩りに入った長助という者が獲物を見つけたので,鉄砲でドンと撃ったところ,確かに獲物に命中した手答えを感じた。 長助は周囲を探すと手負いの獲物がいたので,再び鉄砲で撃つと獲物は逃げたので,さらに長助は鉄砲でドンと撃った。それ…
1 概要 明治時代の初めのこと,会津地方に,先祖の寺詣でなどをしたことのない,不信心な男がいたという。 ある時,その男の母親が死去したので,寺で葬式をすることになり,男は初めて,山門をくぐることになった。 母親の棺が山門をくぐり,その背後から…