奥州市の山間部には,かつて猿岩随道と呼ばれる手掘りの随道が存在していた。
現在は平成25年(2013年)に完成した胆沢ダムの影響で湖底に沈んでいるが,時折,渇水状態になると人々の前に姿を現すのだという。
森林軌道用に作られた長さ約700m程度の随道は,噂では強制労働者や囚人の手により造られたものとされている。
照明が一切存在しない内部はかなり不気味だったそうで,しかも心霊スポットであるという噂も存在していたため,なお一層その不気味さに拍車をかけていたと思われる。
何でも同随道では,壁から無数の手が現れる,謎の発光体が後を追いかけるという怪奇現象が発生したり,発狂するといった謎の体調不良になると言われているほか,幽霊の目撃談などもあったのだという。
また,同随道だけではなく,手前に存在していた橋でも怪奇現象が発生したと言われている。
湖底に沈んだ現在,同随道やその周辺に存在していた者がおとなしくなったのか,または渇水時に久しぶりに地上に姿を現した際には,その地に棲む何かを見ることができるのかも知れない。
最後に,胆沢ダムが完成する前,この付近には「岩淵ダム」が存在していたが,胆沢ダム完成時,岩淵ダムも湖底へと消えることになった。
同ダム工事の際には犠牲者が出たらしく,同ダム付近には慰霊碑が存在しており,そこで