安田城は富山県富山市に存在した平城で,当時の遺構をそのまま残す貴重な城跡のため,昭和56年(1981年),国の史跡に指定されている。
同城は近隣に存在していた白鳥城の支城として築城されていたようであるが,その築城年は不明で,豊臣秀吉が天正13年(1585年),佐々成政を征伐するために白鳥城に出陣した際,資料に現れるのがその初見なのだという。
同城には前田氏家臣が城代として入り,同年,佐々成政が降伏した後も引き続きそのまま前田氏家臣が城代として入り,天正15年(1587年)に成政が転封されこの地が秀吉の直轄地となると,一度は城としての役目は終了したとされている。
その後,同地を前田氏が領することになると,一時的に安田城も使用されたようであるが,慶長年間(1596~1615年)に廃城となったようである。
ところで,同城周辺では,理由は不明なのだが,かつて切腹があった場所であり,多くの落ち武者の幽霊が今も彷徨う場所だと噂されているようである。
ただ,いつ,なぜ切腹が行われたか,その詳細は残念ながら定かではない。