今回,心霊スポット候補地としてご紹介する場所は「鉱山」である。
現在、日本で活動している鉱山は数少ないが、かつての日本では数多くの鉱山が開山され、そこではやはり数多くの鉱夫が活躍していた。
生産が盛んな頃の鉱山は、例え辺鄙な山奥であっても、鉱夫やその家族が生活できるよう町が作られていた。
それだけ、鉱山産業が施政者からすれば重要なものであったことが伺えるものである。
しかし、埋蔵されている鉱物の数が減り、最終的に閉山されてしまうと、鉱山は一気にさびれてしまい、最後は訪れる者も皆無の状態となるのである。
ところで、昔の鉱山というものは、特に技術が未発達な時代を考えれば、採掘中に命を落とす者が多いというイメージがある。
実際その通りであり、落盤、出水等による事故による死者、「よろけ」と呼ばれる肺病(珪肺)等の病気による死者等が発生している。
また、法に反し処刑された命を落とした者も多く存在したのだという。
一つ目は「喧嘩両成敗」を理由としたもので、喧嘩の結果、相手を殺害したという場合、加害者は打ち首にされたそうで、これは数多くいたとされる。
次に、無届による採掘をして処刑された者で、福島県内の鉱山でも、時期不明ながら白戸鉱山を採掘した三十余名が打ち首、明暦元年(1655年)、白峯鉱山を採掘した伊南村(現南会津町)の1名が打ち首、同3年(1657年)、場所不明の鉱山で採掘した2名が打ち首にされたという。
これはあくまで一例で、同様に無断採掘をして処罰された者は数多くいたはずである。
このように、鉱山に関し命を落とす者は数多く存在していた。
そのためなのか、鉱山に関する心霊スポットは日本国内でいくつか確認されている。
例えば、秋田県にあり、「東洋一の大銀山」と称された「院内銀山」、島根県にあり、世界遺産に登録されている「石見銀山」は心霊スポットであると噂されている場所である。
福島県内においても、伊達郡国見町にある「半田銀山」、南会津郡南会津町にある「八総鉱山」が心霊スポットと噂されている。
この上記2つの鉱山は福島県内でも屈指の規模を誇る鉱山であるが、この他にも軽井沢銀山、高玉金山等大規模な鉱山、また、小規模な鉱山も数多く存在していた。
もしかすると、これらの鉱山には今も同地に残る魂魄があるのやもしれない。
なお、閉山した鉱山に近付くことは危険である。落盤等の自然災害のほか、獣害等に遭遇する可能性も高い。
決して安易に近付くことのないよう、留意されたい。