常紋トンネルはJR北海道石北本線にある単線非電化の鉄道トンネルで,遠軽町と北見市とを常紋峠の下を通過している。
その開通は古く,明治45年(1912年)から3年がかり,大正3年(1914年)に開通したのであるが,実は,昭和45年(1970年),トンネル内の待避壕から,起立したままの状態の人骨が発生された。
以前から,同トンネルでは人柱が設けられたと噂されていたそうだが,それが裏付ける話である。
そもそも,同トンネルは凄惨過酷なタコ部屋労働が行われたことで有名で,働いていた労働者達は,1日15時間以上働くという悪条件の下,多くの者が病気で死亡したり,脱走して捕まった者は見せしめにリンチされ,最終的には約百数十名の労働者が死亡したとも言われている。
そのためなのだろうか,同トンネルはその完成後から,奇怪な現象が数多く発生したのだという。
例えば,トンネル付近からは人のうめき声が聞こえる,また,血塗れの幽霊や人魂の目撃談,さらには信号機が突然消灯するなどと言う現象が発生するのだという。
このように数多く怪奇現象が発生することもあり,昭和55年(1980年),犠牲者の霊を慰めるため,金華駅の西にある高台に「常紋トンネル工事殉難者追悼碑」が建てられたが,その後も幽霊の目撃談や怪奇現象の発生は後を絶たないとのことである。
なお,同トンネルに行くためには線路を歩く必要があるということであり,決して近付いてはいけない場所である。