１ 概要
相馬市赤木を通る国道6号線付近にはお地蔵様が祀られている場所がある。
ここは，周囲は竹薮で昼なお暗い，薄気味の悪い所なのだが，何でもかつて，処刑場が存在した場所なのだという。
それが原因かは不明であるが，この付近は交通事故が多く発生するところで，何か処刑場と関連しているのではないか，と噂されているのだという。
２ 解説
このお地蔵様は「化厳平地蔵菩薩」と呼ばれているそうで，伝承によれば，文禄年間（1593～1596年）に，この付近の往来者を悩ませた「化厳坊」という人物を当時の領主である相馬義胤がこの地で処刑したことに由来するのだという。
なお，文禄年間の相馬氏の居城は小高城（現南相馬市小高区）で，居城を相馬中村城（現相馬市）に移したのは義胤の子・利胤の時で，慶長16年（1611年）のことである（それまで，相馬中村城には城代が置かれていた。）。
居城から大分離れた，しかも街道沿いに存在している点からすると，ここは常設の処刑場というより，単発でくだんの化厳坊を処刑した場所のようにも感じられる（あくまで推測であるが。）。
同地を訪れる際には，上記のとおり事故が多い場所とされているようなので，十分注意されたい。
