1 概要
少し昔の話である。
富岡町夜ノ森にある自動車教習所(富岡自動車学校を指すと思われる。)の近くに,七軒建つ住宅団地があり,そのうちの一軒はいつも空室だという。
噂によると,この部屋は毎晩8時頃になると,どこからともなく赤ん坊の泣き声がして,やがて鳴き声が止まったと思うと,子供を返せ,と言う女性の姿が壁に映るのだという。
実はかつて,男が浮気をしたため捨てられた女が,それを苦にこの地にあった池に身を投げて死んだが,その際,女は身篭っていたのだという。
その後,団地造成のため身投げした池は埋められ,その池の辺りに建った家というのがくだんの空室のある場所なのだという。
2 解説
池が埋められ,その上に家が建つとそこに現れる幽霊というのは何とも恐ろしい話だと思う。
ただ,古地図でも見ない限り,どの辺りに池があり,そして団地造成されたか生憎と分からない話であるし,そもそも富岡町自体の一部は令和2年時点で帰還困難区域に指定されてもいる。今後,機会があればじっくりと調査したいものである。