今回,心霊スポット候補地としてご紹介する場所は「処刑場」である。
さて,江戸時代,福島県内には複数の藩が存在していた。
藩に関しては,移封や改易を理由として消滅したケースもあるため,正式にどのような藩が存在していたかを書くのは難しいが,幕末期を基準とした場合,
・福島藩
・会津藩
・二本松藩
・相馬中村藩
・三春藩
・棚倉藩
・白河藩
・磐城平藩
・守山藩
・泉藩
・湯長谷藩
・泉藩
・下手渡藩
が存在していたほか,多くの飛び地(他藩の所領)や天領(幕府直轄領)も存在していた(そのため,現在の市町村が当時どこの藩に属していたか調べるのは大変難しく,各市町村レベルの史料を細かく当たる必要がある。)。
そして,これら各藩には仕置き場,つまり処刑場が存在していたはずであり,そこでは幾人もの罪人が刑に処されている。
全国的に見て,処刑場跡が心霊スポット化している例はいくつかあり,東京都にある「鈴ヶ森処刑場跡」,大阪府にある「妙見山しおき場」が特に有名である。
福島県内でも,処刑場跡を祀るとされる「おかりや様」が有名な心霊スポットであると言える(ただし,現在は中学校敷地内にあるため,安易に近付いたりすることはできないが。)。
ところで,私が若い頃,歴史好きという観点から,福島県内の処刑場跡を探そうとしたことがあるが,文献が非常に乏しく断念した経緯がある。
幸い,インターネットが普及した現在では情報を容易に収集できるので,興味がある方はぜひインターネット等を駆使して調べてもらいたい(私の個人的な感想としては,下記にURLを貼った「赤い塚」さんの内容が素晴らしいものだと感じている。)
なお,上記のように,各藩にはそれぞれの処刑場が存在していたのは間違いないのだが,天領(幕府領)や鉱山等においても,さらに処刑場が存在していた(前者としては,塙代官所領内で処刑された田中愿蔵の例が,また,後者としては,八総鉱山や半田鉱山などの例がある。)。
さらに言えば,現在も残る百姓一揆の犠牲者を祀る供養碑が存在する場所もまた,かつてその地で処刑が行われた可能性があることを示唆している。
このように,当時の処刑場を特定することはかなり難しいが,ただ言えることは,その地で命を落とした刑人がいるという事実がある,という点である。
処刑場跡地という場所は様々な怨念が残る場所であり,心霊スポットになる素質を十分兼ね備えた場所であると言える。
もし,訪れる際には,十分注意されたい。