1 概要
福島市鎌田にある北信中学校の敷地内には,「おかりや様(どのような字を書くのか詳細は不明だが,「御仮屋様」と書く場合もあるらしい。)」と言われる慰霊碑(仏像,石像とも)が置かれている。
藩政時代,この場所には処刑場が置かれ,数多くの罪人が処刑されていたとされる。そして,その霊を慰めるために建てられたたのがこのおかりや様とのことである。
おかりや様は,失礼な扱いをすると祟るといわれているという。例えば,おかりや様を足蹴にする,ゆびを指す,などの行為をしただけで骨折をした,また,おかりや様を移動させたところ,移動させた者が交通事故で大ケガを負ったなどの祟りが発生したという。
2 解説
以前,職場にいた同僚が同校出身の人間で,上記の話は同人から聞いたものである。同校には僧侶職を持つ教師がおり,丁寧に祀り上げていたとのことである。
さて,かつてこの地に置かれていた処刑場が,一体どこの藩のものであったか(または幕府直轄のものであったか)という疑問が生じるが,同校のある鎌田付近が属していた信夫郡は,福島藩や天領,他の藩の飛び地の所領などが非常に入り乱れていた場所のため,詳細は不明である。
なお,かつて存在した福島藩(3万石)は,荒川沿いに処刑場が存在していたとのことであり,少なくとも,おかりや様のある処刑場は同藩のものではないと思われる(3万石程度の小藩が,複数の場所に処刑場を有していたか,正直分からない。)