帰雲城は岐阜県大野郡白川村に存在していたとされる山城である。
同城は,同地に勢力を有していた内ヶ島氏が寛正年間(1461~1466年)頃に築城したものと言われている。
しかし,同城は,天正13年(1586年),この地を襲った天正地震により帰雲城が山体崩壊を起こし,その土石流が同城と300余り存在していた城下町を一気に飲み込み,城や町を出ていた人々以外を全て飲み込み滅亡したのと言われている。
大勢の人々が同地で命を落としたためか,現在,同城跡を訪れた者の中には,謎の人や馬と思しき足音を聞いた,等と言う怪奇現象を体験した者もいるのだという。
ただ,実のところ,同城は実際にどこにあったのか現在でも謎で,城址跡の石碑はあるものの,それはあくまで推定として建てられたものであることに留意する必要がある。
また,内ヶ島氏は鉱山経営で栄えていたことから,同城に関して埋蔵金伝説も残されているそうであるが,大量の土砂の下に埋められている今,それが事実かどうか判断するのは不可能に近いといわざるを得ないのが現状である。