旧関山トンネルは東根市と宮城県仙台市を結ぶ国道48号線にある標高約630m~650mの関山峠に明治15年(1882年)に竣工した長さ約284mのトンネル(随道)である。
その後,昭和43年(1968年)に現在の関山トンネルが完成,旧関山トンネルは使用停止,現在は封鎖されているのだが,今もなお,著名な心霊スポットとして名高い場所である。
そもそも同トンネルではその工事中,明治13年(1880年),粉末火薬が入った木箱を運ぶ人夫が休息中,タバコの火を火薬に引火させてしまい大爆発を起こし,23名(うち1名は胎児)が死亡する大惨事が発生した。
また,昭和30年代後半には,同トンネルを出た先にあった直角に近い急カーブで,一台の車が曲がりきれず崖に転落,乗っていた母親と長男を含む数人の家族が全員死亡した(なお,この際死亡したのは母娘であるとする話もあるようである。)。
それ以降,同トンネル付近では女性の幽霊が目撃されるようになり,例えば深夜,この付近をタクシーが通りかかると,同トンネル付近の手前で手を挙げて止める女性がおり,その女性を後部座席の乗せて走らせると途中で女性の姿が消えている,そして,後部座席を調べるとシートはぐっしょり濡れていたのだという。
あまりに頻繁に女性の幽霊(上記のほか,小さな赤ん坊を背負っている,また,小さな女の子を連れているともいう。)が現れるため,山形県と宮城県で合同で慰霊碑を建立したというが,その後も現れ続け,現在は新しい関山トンネルに現れるようになったのだという。
今夜もまた,女性の幽霊が人知れず佇んでいるのかも知れない。