盛岡市にある四十四田ダムは昭和43年（1968年）に北上川上流部に治水と発電目的で造られたダムで，その際できたダム湖は「南部片富士湖」とも呼ばれている。これは，「南部片富士」と呼ばれる岩木山を望むことができるから名付けられたものである。
雄大な風景を展望できる場所として，観光に訪れる者も多い同ダムだが，別の目的で訪れる者もまた，後を絶たないという。
その目的とは自殺である。
同ダムは自殺の名所として有名とされており，平成20年（2008年）には同ダム駐車場で若い男性が車内にて硫化水素による自殺を，また，平成28年（2016年）には女子高生2名が飛び降り自殺をそれぞれ遂げたのだという（女子高生については1名が死亡，もう1名は重傷だったそうである。）。
噂では，同ダムの底は泥が厚く積もり，一度身を投じると容易に遺体が上がらないのだという。もしかすると，まだ人知れず眠る遺体があるのかも知れない。
そして，自殺の名所であると同時に，心霊スポットとしてもまた有名なのだそうである。
同ダムで写真を撮影をすると幽霊が写り込むといわれているほか，親子4人連れの幽霊や水面から伸びるいくつもの青白い顔，そして引きずり込もうとするのか，伸びている手などの目撃例が多いという。
不用意に近付くと引き込まれかねない場所なのかも知れない。
