福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

蓋沼の怪(大沼郡会津美里町)

1 概要

 会津美里町雀林には,かつて一人の美しい娘がいた。
 この娘は外見だけでなく,立ち居振る舞いから心根までも美しく,また,親孝行者で誰一人知らない者はいなかった。

 ある時,真名板倉という場所を通り奥の山まで柴刈りに行くときのことである。真名板倉には二つの沼があり,雄沼と雌沼と呼ばれていたのだが,雄沼には大亀の主,雌沼には大蛇の主が棲んでいると言い伝えられていた。
 娘は沼を通るとき,自分の姿を水鏡に映し,身だしなみを整えていたが,そのため,沼の大亀も娘を見初めていた。
 そのため,いつものように身だしなみを整えていた娘は,突然現れた大亀に抱かれ,水中へと連れ去られてしまった。そしてしばらくすると,娘のつけていた一枚の腰巻だけが水面に浮かび上がってきた。
 村では大騒ぎとなったが,誰も沼の主の祟りを恐れ,沼に近寄ろうとする者はいなかった。

 やがて時は流れ,水面に浮かんだ娘の腰巻の上には毎年落ち葉がたまり草が生え,やがて浮島と化した。
 この浮島は次第に大きくなり,やがて沼の蓋のようになったので,人々はこれを蓋沼と呼ぶようになった。

2 解説

 この蓋沼は現在も同地に現存する沼である。
 沼や渕の主などに美しい娘が見初められて連れ去られるという話は,全国各地に点在する昔話の形態と思われる。