福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

蛇の怪(会津若松市)

1 概要

 東山温泉の奥の地域を昔は「湯の入り」と呼んでいた。

 ある時,若松城下の下町に住む十三郎という若者が湯の入りに柴刈りに来た所,山鳥と蛇が死闘を繰り広げているところに出くわした。
 かねてから,蛇は山鳥に負けると聞いていたところ,目の前の山鳥は蛇に締め上げられ,もはや勝負はあったも同然であった。

 これを見た十三郎は蛇を棒で滅多打ちにして殺し,山鳥を持ち帰り,今夜の酒の肴が出来たと山を降り,日頃の飲み友達四人を呼び寄せて酒盛りを始めたところ,どこからか来たのか囲炉裏の自在鉤から一匹の蛇が下り,山鳥が煮込まれている囲炉裏の鍋を覗き込んでいた。よく見るとこの蛇は先程山で殺した蛇であった。

 この蛇は魔性の物であると叫んだ十三郎は,その蛇を滅多打ちに殺し,五人で附け焼きにして山鳥と一緒に食べてしまった。

 それから四,五日後,十三郎の体は無性にかゆくなった。これは食当たりかと思い,四人にも聞いたが何ともないという。日が経てば経つ程かゆくなるので,着ているものを脱いで見ると,身体中の毛穴という毛穴から何百,何千という小蛇の頭が生い出していた。

 これは自分が殺した蛇が子持ちで,その子蛇の怨念が自分を祟ったと直感した十三郎は,異変を聞いて尋ねた四人の友達に頼み,渋紙の上に横になると毛抜きで一匹一匹丹念に抜き取ってもらったところ,小蛇は忽ちのうちに山のようになった。

 十三郎は,執念深く人間に災いをなす魔性の物をこのまま打ち捨てられるかと,早速抜き取った小蛇を黒焼きにして,酒を飲みながら全て食べつくした。

 さすがの執念深い蛇も,十三郎の豪胆さの前には諦めたのか,その後何も起こらなかったという。

2 解説

 蛇が執念深い生き物であることを示す話であるが,それにも増して,蛇の祟りで全身の毛穴という毛穴から小蛇が出てくるというのはあまり聞いたことのない,だが,非常にゾッっとする話であると思われる。