１ 概要
秋田県中東部にある田沢湖は国内で19番目の大きさの湖沼であり、かつ、最深部423.4mという、日本一の深さを誇るカルデラ湖である。
かつては水質もよく、水産生物も数多く生息していたが、昭和15年（1940年）、戦時下の食糧増産と電源開発のため。近くを流れる玉川の水を湖水に流す水路を作ったが、同川は国内屈指の酸性（pH1.1）のため、同湖も一気に酸性化してしまい数多くの魚が死滅、現在はウグイが生息する程度である（福島県の猪苗代湖も同様に水質が酸性化しており、湖の大きさの割には水産生物の種類は少ない。）。
なお、かつて同湖には固有種の「クニマス」が生息しており、すでに絶滅したと思われていたが、平成22年（2010年）に山梨県の西湖で再発見されたことは記憶に新しい。
上記のとおり、日本一に水深を誇る湖であるがためか、同湖では、その筋の者が殺害した者の遺体に石を括り沈めた、等と言う噂がかつて広まったという。それも原因なのかもしれないが、同湖は心霊スポットとされており、同湖を泳ぐ男性の幽霊が現れる、また、同湖を一周すると水面から幽霊が現れ湖に引きずり込まれる、等と噂されているという。
２ 解説
同湖周辺には、その身を龍と化し、同湖に身を沈めたという辰子の伝説が、いくつかのパターンで伝わっている。そのような話が残る程、神秘的な場所とされているのだろう。
湖面にある辰子の像。
無風で波のない湖面に連なる山々が写り、とても美しい。
岸からは、大量に群れをなす魚・・・恐らくウグイだろう・・・の姿が見える。ウグイは悪環境に強く、例えば宇曽利湖（恐山にある湖で、pH3.5の強酸性）にまで生息している。同湖は魚類はウグイしか生息していない。
