1 概要
柳田国男の著書である「遠野物語(明治43年(1910年))」は、岩手県遠野市出身の佐々木喜善が幼い頃から伝え聞いた話を語らい、それを筆記編纂した説話集である。
タイトルのとおり、遠野地方にまつわる伝承が記載されているが、その中に、河童に関する話もいくつか記載されている(遠野物語中、55~59)。
そして、現在の遠野市においても、遠野物語の中に登場した河童にまつわる場所が今に残る。それがこの「かっぱ渕」である。
2 解説
テレビ番組等でも、河童の現れる場所として登場する同地であるが、実際に現地を訪れてみると、渕は飛び越えられる程度の幅しかなく、本当にこのような狭く浅い場所に河童が現れるのかと思えるような場所である。
なお、一般的に河童と言うと、青(緑)がかった色をしている印象があるが、遠野地方の河童は赤ら顔をしているとされている。
また、物語の中では、河童を産んだ話も伝わる。本当に河童を産んだのか(河童が人から産まれるのか)真相は不明である。
かっぱ渕の様子。写真にある竹竿にはキュウリが吊るされている。
思いのほか細い渕であることが分かる。
現在は橋も架けられている。
河童の像もいくつか設置されていた。
河童釣りをするには許可証が必要とのことである。
設置されているお堂には、河童のぬいぐるみが置かれていた。
また、設置されている狛犬の頭には河童をイメージしたのだろう、皿がある。