令和2年1月22日 改訂
1 概要
田村市滝根町にそびえる大滝根山(標高1192m)の西側斜面に,仙台平と呼ばれる場所がある。この場所は典型的なカルスト台地とのことで,現在この辺り一帯が保養地と指定され,キャンプ場も整備されている。
さて,このキャンプ場には,かつて同地を支配し,坂上田村麻呂に負けた大多鬼丸(この名が滝根町の名の由来でもある。)自害したとされる「鬼穴」がある(なお、この鬼穴には、絶滅危惧種のニホンテングコウモリがおり、同穴に入ることはできない。)。
そんな仙台平も、心霊スポットであるとの噂がある。
特にキャンプ場では、白い着物を着た女性の幽霊の目撃談があり、これはかつて、鬼穴で自殺をした方ではないかとされている。
また,鬼穴内部では,かつて心中した男女がいたとされ,その幽霊が現れるともされている。
2 解説
坂上田村麻呂が征夷大将軍に任命されたのが延暦16年(797年)、平安京より出征したのが延暦20年(801年)のことである。大多鬼丸が鬼穴で自害したというのは同時代のことなのであろう。
大多鬼丸の自害した(とされる)鬼穴で自殺や不可解な現象が発生するのは,朝廷から「悪」とされ,攻められて無念の死を遂げた大多鬼丸の祟りのなせる業なのだろうか(ただし、鬼穴で本当に自殺者が出たのか、その根拠となる情報は手元にはない状況である。)。