米子市を流れる日野川にあった旧日野橋には,次のような話が伝わっている。
ある日の夕方,白い乗用車を運転していた人が日野橋を通過したところ,綺麗な娘に同乗させてくれるよう頼まれた。
気の良い運転手は相手が綺麗な娘ということもあり快く乗せ,後ろの座席に座らせて,どこで降りるのか娘に聞いたところ,娘はもう少し先と言う。
そのまま車を走らせ,
「この辺りかな?」
と言いながら後ろを振り返ると娘の姿はなく,座っていた後部座席はぐっしょりと濡れていた・・・。
と言うものである。
また,この話以外にも,旧日野橋では,白い着物を来た親子と思われる幽霊の目撃例があるといい,中にはその声の録音に成功した者もいるという。
これらの話を裏付けるかのように,地元には,同地で入水自殺した親子の遺体が
ところで,この舞台となった日野橋は「旧日野橋」とされているようであるが,調べてみると,日野橋は,明治21年(1888年)に造られた木造の橋(現存せず)と,昭和4年(1929年)頃に造られたアーチ状の橋があるそうである。
地図を見た限り,国道9号線に架かる方が新日野橋(昭和4年以降完成か。)で,その北側にあるのがアーチ状の旧日野橋で,上記の話の舞台と思われる。