福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

炭鉱の幽霊(いわき市)

1 概要

 常磐炭鉱のあるキリハ(採掘現場)が出水事故で塞がれ,その時,数人が犠牲になった。
 その後,出水事故付近に行くと,地底から電話のベルが鳴るような音が聞こえてきたという。

 また,ある巻場で落盤があり犠牲者が出た。その後,その巻場へかかると巻手が眠くなり仕事にならないことが度々あり,その巻場だけ増員をした。この現象は,落盤で死んだ者の血が残り,友を呼ぶのだろう,ということになり,お祓いをしろということになり,塩を撒いて清めたという。

 坑内で死者が出た時,キリハにいる全員で担架に乗せた後,「アガレヨー」と大きく声をかけ,金物等を叩きながら「ここはイチメヌキだぞう」,「ここはニメヌキだぞう」と,道を教えながら,アガレヨー,アガレヨーと声をかけて上るという。こうしないと,霊魂が中に残り,仏が浮かばれないためだという。
 そして,そんな時の血痕等は,坑内には一滴も残さないようにするという。残ってしまうと魂が残り,友を呼ぶという。

 最後に,坑内には梅干の種を捨てないという禁忌が存在したという。種は魂に繋がる,という考えからのことであるという。

2 解説

 いわき地方の炭鉱は幕末から明治時代(1870年代)にかけて発見され,その後大規模な炭鉱開発が行われたが,やがてエネルギー革命や高度経済成長期に採算が悪化,1970年代に最後まで存在した鉱山が閉山,およそ100年の歴史に幕を閉じた。

 その間,いわき市に存在していた様々な鉱山では幾度か事故が発生しており,場合によっては数百名規模の犠牲者が出た事故も発生している。中には,上記のように浮かばれない霊もいても不思議はないだろう。

 なお,鉱山の労働環境は劣悪で,塵などを多く吸い込むことから肺を病み,若くして亡くなる方も多かったという。また,従事者の中には刺青を入れる方もいたとのことであるが,これは,事故で死亡した場合でも,自分の身元が分かるようにしていた措置であるという。それだけ危険が伴う仕事であった証左である。

 炭鉱の歴史に関心のある方は,いわき市にある「いわき市石炭・化石館ほるる」を見学されることをお勧めする。