福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

木地小屋村大蛇の事(耶麻郡猪苗代町)

1 概要

 猪苗代の木地小屋では、山から伐り出した木地を若松城下に売り生計を立てていた。

 ある日、木地小屋に住む親子の息子が木地を城下に運んで行ったので、老人が一人留守居をしていた。
 やがて日も暮れたので,家の戸障子を閉めていると、何かが家の辺りを取り巻いて、ミリミリと締め付けており,家は今にも倒れるのではないか,と思う程であった。
 不思議に思った老人は、戸口を少し開けて覗いてみると、薄い月明かりのためはっきりとは見えないが、打ち杵程の大きさのものが二重に家を絡んでいるのが見えた。

 老人は,まず灯りを付けようと思い,火打石を打つがどうしても火が付かない。そうしているうちに、何か軒の隙間から覗くものがあるので,すかして見てみると、覗き込む眼は磨ぎたての鏡のようであり、口は大きくて真っ赤な舌を出して、今にも入り込もうとする気配の恐ろしいこと、生きた心地もしなかった。

 どうしようと考えているところに、城下に行っていた息子が遠くから「今帰ったぞ」と声を出し帰ってきた。この声を聞くと老人は、「早く来てくれ、食われてしまう。助けてくれ!」と、声を限りに叫んだ。
 息子は驚いて駆けて来て、「何事だ」と言うので、老人は「早く家の辺りを見てくれ、怪しいものが入ってくるぞ」と叫んだ。
 息子が闇を通して見ると何かがいるのが分かったので、傍にあるまさかりを取り切りつけた。老人もまた、ナタを振るって切りつけた。怪しいものは暴れて家を倒さんばかりであったが、二人は力を合わせ切り殺すことができた。

 そして,火を付けて見ると、家の周りを七重に巻いた大蛇がいた。二人は改めて驚き、少しでも遅かったらどうなったであろうと胸を撫で下ろした。

 

2  解説

 木地小屋は現在も耶麻郡猪苗代町に地名として残る場所であり,豊かな自然に囲まれた場所でもある。
 その豊かな自然が,人をも飲み込むような大蛇(いわゆる「うわばみ」)を生み出したのだろうか。

 

sizyuukara-1979.hateblo.jp