1 概要
寛永18年(1639年),柴崎又左衛門という人物が清水端を通りかかると,2m半もある,真っ黒な一つ目の大入道が水を呑んでいた。
又佐衛門は剛勇の士であり,刀を抜き斬り付けたところ,大入道は体にも似合わぬ叫び声をあげ,たちまちのうちに逃げ失せた。
その後,久しくしてから,八ケ森に大きな古狸の死骸が腐敗しているのを木地小屋の者が見つけたが,この古狸が一つ目の大入道か定かではない。
しかし,その後,この付近では何の怪しいことも起こらなくなったという。
2 解説
この話は,猪苗代城に住んでいたといわれる「亀姫」の話の続きであるが,別の妖怪についてのことでもあり,あえて別稿として記載した。
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大入道の正体は不明とされることが多いが,狐や狸などの動物が,また,石塔などを正体とすることもある。
また,上記の話では一つ目だが,眼が二つのケースもあるようである。