１ 概要
福島市北部にある大笹生の大平という地区の山頂には，今もあるかどうかは分からないが，かつて廃校が存在していたという。
この廃校の裏にある林には，たくさんのお札が貼られていたという。噂によると，戦時中にこの場所で病気が流行し，その結果多くの子供達が死亡したために，大量のお札が貼られたという。
２ 解説
上記の記述を一読すると，「病気で多くの子供達が死亡した。その後，その幽霊が現れるので，それを鎮めるためお札が貼られた。」と読み取ることができると思われる。
ただ，民俗学的な風習・まじないとして、かつて疱瘡などの流行病が発生した際にお札などを貼り，厄病除けや収まることを祈願したという風習が存在していた。今回のお札が貼られていた件についても，この風習・まじないと同様の可能性があると考えられる（ただ，この風習が昭和初期まで行われていたのか，そもそもどんな疫病が流行したのかなど，疑問が残るところである。）。
また，この廃校は恐らく「大笹生小学校大平分校」を指すのではないかと思われる。同校は昭和24年（1949年）創立，昭和45年（1970年）閉校とのことで，そもそも，疫病が流行したとされる戦時中には存在しない学校である。
残念ながら，今では詳細を検証するのは難しい心霊スポットの類の話，信憑性のない噂話であった可能性が高い（無論，林にお札が貼られたのが先で，その後，同校が建てられた可能性も否定できない。）。
