今回,心霊スポット候補地としてご紹介するのは「尾瀬」である。
福島県・新潟県・群馬県の3県にまたがる高地にある尾瀬湿原は現在国立公園に,そして日本百景に指定されている観光地であるが,一時期,心霊スポットとして話題になった場所でもある。
少し古い時代の話なのだが,昭和40年から50年にかけて,同地にある尾瀬沼を訪れた人達が撮影した写真に,帽子を被る謎の男性の幽霊と思しき人物が撮影された,また,戦時中のカスリのモンペ姿で,手拭のような物を被った女性の目撃談があった(特に,心霊写真に関しては,昭和49年7月27日付けの読売新聞に掲載される程であった。)。
現在もこれらの幽霊の目撃談があるかどうかは不明であるが,何かしら因縁は残る場所である可能性は否定できないと思われる。
なお,上記幽霊のうち,「戦時中のカスリのモンペ姿」の女性の幽霊がなぜ現れるのか。尾瀬自体に人が住んでいた訳ではなく,疑問がある。
この点考えてみるに,尾瀬は,昭和56年(1981年)に国道401号線が開通する以前は会津沼田街道が主要道路として使用されていた。
この街道は群馬県と福島県を結ぶ交易用の道路であるが,この女性は生前,いずれかの県から疎開でもする途中,尾瀬で何らかの理由をもって命を落としたのではないか(ちなみに,尾瀬からもっとも近い村落は,福島県側は檜枝岐村,群馬県側は片品村である。これらの村の人間である可能性も否定できない。)。
風光明媚な観光地ではあるが,人知れない過去が存在しているのであろうか。