八女郡広川町には「十三佛」と呼ばれる場所がある。
ここには数多くの石碑や石仏,地蔵尊が祀られていて,奥には洞窟もある場所であるそうなのだが,「高野山」という文字が彫られた石碑もあることから,元々は何らかの信仰の場として設けられた場所ではないかと思われる。
しかし,この場所は,地元タウン誌等で心霊スポットと紹介されてから肝試しに訪れる若者等が多くなり,地元の方とトラブルになるケースもあったという。
また,訪れた若者が行ったのか,元々なのかは不明なのであるが,石仏や地蔵尊の中には,首がもがれているものが存在している(もっとも,これは必ずしも肝試しに来た者の仕業とは断定できない。この手の行為は明治時代の廃仏毀釈により行われていたようであるし,また,江戸時代には盗賊が願掛けに地蔵尊の首をもいだ等と言うことがあったという話を聞いたことがあり,古くからそのような状態であったことも否定はできないのである。)。
少し不気味な雰囲気を醸し出す同所であるためか,地元では心霊スポットと認識されているそうである。
例えば,悪ふざけをして地蔵尊や石仏の首を持ち帰ると祟りに遭い死亡する,洞窟内で騒いだ者は帰り道に事故に遭遇するといった怪奇現象のほか,深夜,白い服を着た女性の幽霊の姿の目撃談があるのだという。
かつての信仰の場という性質上,安易に訪れてはいけない場所なのかも知れない。