最上郡最上町と尾花沢市を結ぶ県道50号線に標高約390mの山刀伐峠が存在する。
一風変わった峠の名前は,峠の形状が,山仕事や狩りの際に使用した「なたぎり」という被り物に似ていたから名付けられたものである。
しかし,俗説として,かつてこの峠には刀を持った山賊が住み着いていたことに由来するというものもある(同峠は松尾芭蕉の「奥の細道」にも登場するが,芭蕉がこの峠を通過する際,近隣の人に護衛をつけてもらったのだという。)。
当時は難所であったが,山刀伐峠トンネルが完成してからは簡単に通過できるようになった場所である同峠であるが,さらに現在は心霊スポットとしての噂も多い場所である。
聞こえてくる噂に寄れば,同トンネル内で首だけの幽霊の姿を目撃した,また,旧道では無数の人影,それも首のない人影を目撃したのだという。
「首」にまつわる幽霊が現れるというのは,本当にこの地に山賊が存在していて,旅人の首を刎ねでもしたりしていたのだろうか。
なお,旧道に関しては,毎年頻繁に熊が出没する程自然の豊かな場所なのだというので,訪れる際には熊除けは必須である。