福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

田村山村の妖怪(会津若松市)

1 概要

 中荒井組田村山村から鈴渕村に嫁いだ女がいたが,この女は夫を嫌い,昼夜となく親元に立ち帰って来た。親達はなだめすかし,いろいろな物を拵えてやり連れ戻していた。

 ある夜のこと,女がまた,田村山村の親元に帰ろうと出かけた。雨がしんしんと降り,風が吹いて淋しい野原を急ぎ歩くと,何か道端に横たわるものがあり,それが足に触れた。辺りは暗いので,手に取り除こうとしたところ,それは生々しい人間の足であった。

 女は恐ろしかったが,親元に急ぎ帰りたいという気持ちで,引き返さず村の入口にある伯父の家までたどり着いた。伯父はすでに床についていたので,これを起こして家に入り,伯父に,今まで何度も婚家と実家の間を行き来してきたが,今夜のような恐ろしい目にあったのは初めてだと,先程の仔細を話すと,伯父は,先程道端で見たのはこれかと言い,懐から足を取り出した。これを見た女は悶絶してしまった。

 夜が明け,村人が草刈に出かけたところ,女が倒れているのを見つけたので,親元に知らせた。親達は驚いて家に担ぎ入れ,色々と手を尽くしたところ女はようやく息を吹き返した。そして訳を尋ねると,女はかくかくしかじかと事の次第を話してくれた。女が伯父の家と思ったのは墓所だったという。

 それからは,この女は夫を嫌うのをやめ,再び親元に帰らなくなった。これは女の道に背いた見せしめであったのだろうと,世間の人は話していた。

2 解説

 地名が出てくる話であるが,小泉八雲の「むじな」のような二度驚かすようなパターンを見ると,実話というよりは,昔話にありがちな「説話」的要素を含んだ,創作された話のように思えてしまう。