1 概要
福島市から国道115号線を耶麻郡猪苗代町方面に向かう途中,第二磐梯吾妻道路(通称「レークライン」)がある。この道路からは,裏磐梯の小野川湖や秋元湖方面へ抜けることが可能であるが,途中にあるT字路を左折すると,再度国道115号線へ抜ける道がある。この途中に流れる川が大倉川で,同川に架かる橋が大倉川橋である。
同川は渓流釣りで人気のスポットで,この橋付近から入渓し,大物を狙う釣り人もいるようである。
しかし,同橋では,走行中の車の調子が突然不調になり,アクセルを吹かしても速度がでない,また,晴天の日にも関わらず,車には水滴が付いていた,という怪奇現象が発生するという。
そして,この橋では,ある同川が増水していた時,この橋を走行していた車が川の水に飲み込まれ,命を落としたものがいるという。
2 解説
同橋を走行中に,川の水に車ごと飲み込まれた・・・という話は,うっすらとどこかで聴いたことがあるような気がしていた。
そして今回,調べて見たところ,平成元年(1989年)8月6日の夜,同橋の中央部が豪雨による増水で崩れ落ち,橋を渡ろうとしていた3台の車が濁流に飲み込まれ,6人が遺体で発見,また,5人が行方不明になったという。
私も,この場所は何回か通行したことがあるが,山間部であるこの周辺で相当量の雨が降られると,川が一気に暴れだす可能性は高いと思われる。
不幸な事故で亡くなられた方々のご冥福を祈るばかりである。
現在の大倉川橋の様子。
橋の下を流れる大倉川。清流で、渓流釣りポイントとしても有名であった(現在は東日本大震災に伴う原発事故の影響のため禁漁中)。
山間部で大雨が降られてしまうと、一気に濁流と化す。山中の川遊びや釣りには十分注意する必要がある。