福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

ろくろ首(白河市)

1 概要

 享保11年(1726年)のこと,白河の城下町にある旅籠に,庄内藩一行が宿泊した。旅籠の馬小屋には,殿様の乗馬である,栗毛の見事な駒がつながれていた。
 この駒を,見張りの者が寝ずの番をしたいたのだが,夜更けになると見張りの者はウトウトしはじめた。

 あくる日,栗毛の駒の様子を見ると,どうにも元気がなかった。
 どうやら昨夜,栗毛の駒が何者かに精を吸われたようだが,しかし,見張りの者がいたのだから簡単に馬小屋には近づけるものではない,一体何故と,馬奉行は首をかしげた。

 実は昨夜,同じ旅籠に一人の旅の女が宿泊した。その女は,栗毛の駒を見て,駒のものが欲しくなり,皆が寝静まった時に首をのばして駒の股を吸ったのだ。

 その後,この栗毛の駒は,どこか弱ったようにそのまま江戸に上っていった。
 一方,ろくろ首の女は,まるで獣のように街道を駆け奥州に下っていったそうだ。

2 解説

 上記の時代の庄内藩主は酒井忠真で,参勤交代で江戸に向かう途中のことなのであろうか。ただ,気になるのは,当時,参勤交代の際に大名が宿泊するのは「本陣」と呼ばれる宿泊所で,原則として一般の者が泊まるのを許されていない場所である。大名が旅籠に泊まることは考えにくく,少し疑問のある話である(もしかすると,大名が本陣,駒については旅籠の馬小屋に置かれた,という可能性も否定できない。)

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 さて,ろくろ首は,首が異様に伸びる女性の妖怪(男性の妖怪の場合もある。)として有名であるが,中には首が抜け,頭部のみが自由に飛行するというもの(「抜け首」という。)も存在するといい,特に抜け首は,夜間に人間などを襲い血を吸うなどの悪さをするとされる。

 なお,ろくろ首の名称の語源については様々な説があるが,一般的には長く伸びた首が井戸のろくろに似ている,が有名ではないだろうか。

 最後に,妖怪話では,女性に化けた妖怪が男性の精気を吸い取る,という話がある場合があるが,今回のように動物の精気を吸い取るという話はあまり聞いたことはない。珍しい話といえる。