鶴岡市を通る国道112号線沿いにある高館山は標高約273mの小高い山で,現在展望台が整備されている。
この展望台は螺旋階段が上まで続き,中が吹き抜けとなっているがのだが,噂によると,この展望台では首吊り自殺や飛び降り自殺が多く,首の折れた男女の霊の目撃談が跡を絶たないとされている。
ところで,同山は戦国時代,この地を治めていた大宝寺氏の居城,尾浦城(大山城とも)が存在していた場所でもある。
しかし,第17代当主・大宝寺義氏の時代,積極戦略に出た義氏は度重なる遠征に失敗,人心の離反を招いていた。
そして天正11年(1585年),大軍を率いて由利郡に侵攻しようとするも配下の一部が出陣しなかったために敗退,これに腹を立てた義氏は出陣しなかった配下を討つべく兵軍を編成,部下の前森蔵人に預けるも,今度は前森蔵人が裏切り,居城・尾浦城を取り囲んでしまう。
この状況を見た義氏はもはや観念し,城外の高館山に出てついに自害して果てたという。
もしかすると,同山には自害した大宝寺義氏怨念が残り,人々を招き寄せている場所なのかも知れない。