山梨県内でも著名な心霊スポットと思われる花魁淵は,国道411号線(旧道)沿い,甲州市と北都留郡丹波山村の境付近,一ノ瀬川にある淵である(ただし,国道411号線(旧道)は現在通行止めで,今後,廃道化させる予定なのだという。)。
同淵には,次のような伝承が存在している。
天正10年(1582年),織田信長の甲州征伐により武田勝頼が敗れ自害すると,武田氏の屋台骨を支えた黒川金山も閉山されることになった。
この時,金山の所在等秘密を知られるのを恐れた金山奉行(依田某)は,金山で働く鉱夫の相手をさせるために遊郭にいた55人の遊女と金山に従事した配下の者を皆殺しすることに決め,酒宴と称し,藤蔓で吊り下げた舞台の上で遊女を舞わせ,その途中で藤蔓を切り,舞台もろとも淵に沈めて殺害したのだという。
そのため,同地には現在も遊女らの強い恨みが残ると言われており,特に女性が訪れると,大きな影響を受けてしまうとさえ言われている。
しかし,上記のとおり,今後,同地に繋がる道は廃道の予定であり,非常に危険を伴うようであるため,安易に訪れるのは慎むべき場所となると思われる。