平山城は現在,東京都八王子市と日野市にまたがる平山城址公園(昭和55年(1980年)開園)として整備されている。
同公園周辺にはかつて,武蔵七党の一族である平山氏の居舘が存在していたほか,公園には見張台が存在していたと言われている。
また,公園入口には,平山季重を祀る季重神社(かつては日奉神社と呼ばれていたそうで,これは平山氏の先祖・日奉氏を祀っていたためだという。)や,猿渡の池と呼ばれる,園内の湧き水を集めた池などがある。
この平山季重という人物なのだが,平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した武将で,保元の乱(保元元年(1156年))に源義朝に従い,一時平氏に従う時期があったものの,治承4年(1180年)に義朝の遺児・頼朝が挙兵すると以降一貫して源氏に従い,数々の武功を立てた剛勇の武将である。
ところで,現在,上記した猿渡の池では,幽霊の目撃例が多数報告されているのだそうである。
そして,その幽霊は,季重を祀る季重神社が存在することや季重の墓が近くにあることから,季重の幽霊ではないか,などと言われているそうである。
季重は建暦2年(1212年)に病没したとも,謎の死を遂げたとも言われているほか,一説には,建暦3年(1213年)に発生た和田合戦で命を落としたなどとも言われている。
この地に現れる幽霊が季重なのか他の者なのか,残念ながら詳細は不明であるが,いずれにせよ,幽霊が現れると噂されていることは確かである。