石垣山城は神奈川県小田原市に存在した城(陣)跡で,別名石垣山一夜城,太閤一夜城とも言われている。
同城は,天正18年(1590年),豊臣秀吉が関東の北条氏を征伐する,所謂小田原征伐の際に築城された城で,約3~4万人を動員,わずか80日間という速さで造られたと言われている。
秀吉は同城で茶会を催したり,天皇の勅使を迎えたとのことで,同城完成から僅か10日後に北条氏は降伏,その後すぐ廃城とされたようで,昭和34年(1959年)には国の史跡に指定されている。
ところで,いかに万単位の人々が築城に携わったとはいえ,僅か80日の間に造られたこともあり,かなり過酷な労働が行われ,しかも数多くの人が命を落としたのではないかと推測されている。
そして,そのような推測を裏付けるかのように,同城では火の玉が目撃される,また,労働に従事した人と思われる幽霊が目撃されると言われているほか,戦場に造られた城ということもあり,武者の幽霊もまた,目撃されるのだと言われている場所なのである。