金子城は愛媛県新居浜市に存在してた，丘陵地帯に築城された城である。
同城は，建武年間（1249～1255年），武蔵国に勢力を有していた金子氏の一族・金子広家が同地に移住，築城したと言われている。
金子氏は戦国時代に入り勢力を拡大していくが，やがて伊予国侵攻を目論む長宗我部元親と対峙，結果，和議を結びその領地は安堵されている。
しかし，天正13年（1585年），羽柴秀吉が四国征伐を実施，その命を受けた毛利氏の小早川隆景が同城を約3万という大軍で攻め寄せる。
対する金子元宅は，毛利氏に降伏する選択肢もあったが，元親と徹底抗戦することを決断，自身は高峰城にて全軍を指揮，金子城は弟・元春に託すこととした。
同城の攻防戦は激しく，周辺の主だった神社仏閣は焼失，この一帯は戦場と化したが，ついには落城，金子氏も滅亡することになる。
その後，昭和31年（1956年）に同城は滝の宮公園として整備，現在に至るのだが，かなり激しい戦闘が行われたためだろうか，同城の本丸が存在していた第一展望台付近では今も鎧武者の幽霊が目撃されるという話や，誰もいないのにも関わらず，ひとりでにブランコが動くという怪奇現象が発生するのだという。
