福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

前橋城(群馬県)

 前橋城は群馬県前橋市に存在していた「関東七名城」の一つに数えられていた平城で,古くは厩橋城の名で呼ばれていた(前橋が旧名厩橋と呼ばれていたためである。)。

 同城の築城年は不明であるが,15世紀末頃,長野氏の箕輪城の支城として築城された石倉城がその始まりとされているのだという(伝承では,天文3年(1534年),氾濫した利根川が石倉城の本丸や二の丸を崩壊させたために,厩橋城を築城したのだという。)。

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 厩橋城はその支配者が幾度も変遷している城である。
 まず,戦国時代について時系列として記載すると,

 天文20年(1551年) 上野国に侵攻してきた北条氏に付く

 永禄3年(1560年) 長尾氏が攻め取る

 永禄6年(1563年) 北条・武田連合軍が攻め落とす(ただし,同年中に上杉氏(旧長尾氏)に奪還される

 永禄10年(1567年) 上杉氏家臣で城代の北条高広,北条氏に寝返る(北条高広は後に上杉氏に帰参,厩橋城も上杉氏の支配となる。)

 天正7年(1579年) 城代北条高広,上杉氏の内紛「御館の乱」で越後の所領を失い,武田氏に降伏する。

 天正10年(1582年) 武田氏滅亡,北条高広,厩橋城を織田家滝川一益に引き渡す。しかし,同年,本能寺の変織田信長が横死後発生した滝川氏と北条氏との間の神流川の戦いに滝川氏が敗れ撤退,厩橋城は北条氏の支配下となる。

 天正18年(1590年) 豊臣秀吉小田原征伐の際,浅野長政の攻撃を受け攻め落とされる。その後,関東が徳川氏の支配となり,同城も徳川氏の支配となる。

 となる。
 このように,北条氏,上杉(長尾)氏,武田氏,織田氏豊臣氏,徳川氏と,著名な戦国大名との関わりを有しており,かつ,幾多の合戦の舞台となった城であることが分かるかと思う。

 そして,江戸時代に入ると,酒井氏や松平氏など,徳川氏の譜代や親藩が同地を支配,そして厩橋城を居城としていた(なお,厩橋から前橋に地名を変更したのは17世紀中頃から18世紀初頭のことだという。)。

 ただ,厩橋城改め前橋城は,その前身である石倉城同様,利根川の浸食に悩まされ続け,18世紀初頭(酒井氏の時代),ついに本丸の移転を余儀なくされてしまう。

 その後も利根川の浸食が続き,松平氏の時代である明和4年(1767年)にはついに本丸が崩壊するところまできたのだが,同氏には城を修繕する財政的余裕はなく,幕府の許可を得て明和6年(1769年),前橋城を破却,同氏は飛び地の川越の地に移ることになる。

 しかし,領民による前橋城再建や領主の帰城の願いは強く,利根川の河川改修がなされたこともあり,幕府に願い出て前橋城の再建を開始,幕末直前の慶応3年(1867年)に前橋城が再興,松平氏が入城を果たしている。

 このように,利根川の浸食に常に悩まされ続けた歴史を持つ前橋城だが,実は一つ,奇怪な伝説が残されている。

 それは,酒井氏が同城を統治していた頃の話である。

 赤城山麓の農村に,「お虎」という美しい娘がいた。
 ある時,この村に鷹狩りに来た城主が,接待に出ていたお虎を一目見て気に入り,侍女として入るよう求めた。
 実は,お虎には太市という許婚がいたのだが,両親の説得や太市の了解もあり,お虎は侍女として城に入ることにした。

 城に入ったお虎は城主の寵愛を一身に集め,何不自由ない生活をしたが,ある時,城主の食事に縫い針が入れられるという事件が起き,犯人として疑われたのは食事を運んだお虎であった。

 これは,城主の寵愛を受けるお虎を妬む他の侍女達が入れたものだが,侍女達は口裏を合わせたため,城主もそれを信じ,お虎に裏切られたと考え,彼女をムカデやヒルの入った水がめに押し込め,さらに利根川に流した。

 その夜,城主の枕元にお虎が現れ,恨めしそうに城主を見下ろしながら,

 「この城は水がめである,城主も家臣も皆私と同じようになる,お覚悟を。」

 と告げて消えた。

 果たして数日後,雨でもないのに,利根川が勢いを増し,濁流は洪水となり城の立つ大地をえぐり,本丸を突き崩してしまったのだという。

 最後に,昭和40年(1965年),前橋市の有志の手により,お虎と太市の霊界結婚式が行われ,かつての前橋城の本丸跡に虎姫観音堂を建立,お虎の霊を供養している。

 かつて前橋城が存在していた場所には群馬県庁,前橋市役所,前橋地方裁判所が建てられ,当時の面影は殆ど残っていない。

 祟るべき城はなく,また,上記のとおり供養がなされた今,お虎の怨霊も成仏したのだろうか