1 概要
2月と12日の8,9日は山に入ることを忌む日である。
これは,この日に山に入ると,天狗様にさらわれる,また,狐に憑かれるとも言われている。
天保年間(1831年~1845念),北神谷村に住む宇之吉という人が,家人の止めるのを聞かないで2月9日に山に木を取りに行ったところ,狐に憑かれて高い山から大石と共に転がり落ちて死んだことがあったという。
2 解説
全国的に伝わる禁忌の中には,ある一定の日に山に入ることを忌むケースが見受けられる。いわき地方においても,2月8日や12月8日は,疫神が山に入る,または山から出てくる日のため,野山へ出るのを忌むとされていた。
山に入る際には忌み日をよく調べる必要があるのかも知れない。