福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

三ノ丁角場でのいろいろな妖怪の事(会津若松市)

1 概要


 本三ノ丁上の角場(鉄砲の練習場)は、昔から色々な怪しい事があった。

 内小田垣に日向新兵衛という人がいたが、ある日、友達を訪ねての帰り道、ちょうど夕暮れ過ぎの薄暗くなりかけの頃、供の者を一人連れ、三ノ丁下から東へ上り角場の辺りまで来ると、前方を百姓らしい男が荷物を背負って行くのが目に付いた。
 その男、なんと一本足で歩いている様子である。薄暗くて見誤りかと思い、供の者にも聞いてみると、やはり一本足であるという。気を付けて後を付けて行ったが、同丁の土手際で見失い、何処へ行ったか行方知れずになってしまったという。

 また、二ノ丁北側宝積寺通りの東角に住む落合権太夫という侍が、昼から外出して夕暮れ頃、四ノ丁を東へ上がって来ると、角場の北側の土手の上から、三ノ丁南側の簗瀬源左衛門横通りの堀笠の上へ、足を渡して寝ている者がいる。首は土手の上にあるので通りからは見えない。
 源左衛門屋敷の堀際から土手までは20間程あり、足をさし渡して寝ることのできるのは人間ではないだろう。怪しいぞ、と、少し立ち止まって見ていただけど動かないので、そっと我が家に帰ったという。

 さらに,堅三日町に古川近江入道兼定という刀鍛冶がいた。一ノ丁上のある侍の家に刀の用事があっての帰り、雨の少し降る夕暮れであった。三ノ丁上の角場に沿って行くと、四ノ丁の角に板塀が立ち道を塞いで行き止まりになっている。
 月もないので暗く、手探りであちこち撫で回してみたけれど、右も左も扉を立てたようになっていて通る術がなかった。仕方なく戻り、三ノ丁南側を西へ下り、六日町通りへ出て、ようやく我が家に帰ったという。

 
2 解説

 三ノ丁角場は、先に別稿でご紹介した,古狢がいたという角場である。

sizyuukara-1979.hateblo.jp

 
 よく、いわくのある土地というのは徹底していわくのある土地である、といい、例えば、商売を続けても店が長く続かない場所というのは良くある(地方によりナワスジ、ナメラスジなどと呼称される。)。
 この角場もまた、その類いの、怪異がより集まるような場所であったのかも知れない。
 なお、上記に出てくる「古川近江入道兼定」というのは、会津で有名な刀鍛冶である「会津兼定」の事である(ただし,文中の兼定が何代目かは不明。)。