福島県心霊スポット情報

福島県心霊スポット情報

福島県内の心霊スポット(全国に拡大予定、まずは東北から。)の概要とその情報について,霊感ゼロの四十雀が独断と偏見を交えつつ解説したいと思います。

濡れ女(会津若松市)

1 概要

 越後と会津の国境を三国川が流れている。この川の両岸には柳並木が続いているが,この柳の若枝を,越後と会津の者が伐りおろし,その枝で柳細工を造る,これが柳を伐る者の特権であった。

 しかしある日,この特権を巡り争いが起き,そこへ他の村の者も割り込んできた。この者達は自分達も柳の若枝を伐ろうと船を出し,鎌の竿で若枝を伐り落としたが,一枝伐っただけで船は流されてしまった。三国川の流れは早く,若者の腕では船を停めることはできなかった。

 そのまま船は三叉にかかったが,その時,川で髪を洗う女性の姿が見えた。この辺りは人家などない場所である。若者達は声を呑んだ,あれは濡れ女である。

 若者達はやっと船の向きを変えて戻り始めたが,その時,ヒュウという妙な声がした。そして,濡れ女がこちらを強く睨み付けているのが見えた。若者達は 恐れおののき船を急がしたが,再びヒュウヒュウという声が起こる。すると,船足は停まってしまった。

 若者達は隙をみて三度船を漕いだが,ヒュウヒュウと声がするとやはり船足は停まった。そこへ濡れ女が笑いながら姿を見せ,尻尾をもって船を巻きつけ,そのまま船を曳いて川をのぼっていった。濡れ女の尻尾は三町余(約300メートル)あるという。

数日後,川から若者達の食いちぎられた首が流れてきたという。

2 解説

 海や川に現れるという妖怪で,その姿は蛇体,顔は女の姿で描かれている。性質としては,上記のとおり,人間を食うと伝えらている。

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 なお,上記では「三国川」という川が舞台となっている,場所を特定するのは難しいが,恐らくは,尾瀬地方を水源とする「三国川(さぐりがわ)」のことであると思われる(確かに越後と会津の国境であるが、どちらかというと越後に存在する川と言えなくもない。)。