令和2年1月16日 改訂
1 概要
上蓬莱橋は福島市南部にある松川町付近を流れる阿武隈川に架かる橋で,昭和56年(1981年)に竣工した全長190mあり,川面から約60mの高所に設置されている。
橋の上に立つと,名勝である阿武隈峡を一望することができる。特に秋にかけては紅葉が美しく,福島市内にある学校では,同橋を遠足のスポットとしている学校もあるという。
このように,美しい観光名所である同橋なのであるが,実は,この辺りでは自殺の名所としても有名な橋なのである。
そして,それが原因なのだろうか,同橋にまつわる心霊関係の噂話も数多く囁かれている。
例えば,同橋の下から人の泣き声のような声が聞こえてくる,夜,橋を歩いていると,自分以外に誰もいないのに別の「誰か」の足音のような音が聞こえてくる,寒気,また,誰かからの視線を感じる,等という話である。
また,心霊写真も撮影されるとされている場所なのである。
2 解説
同橋は,主要幹線道路である国道4号線から外れた人家の少ない場所にあるため,特に夜間通行すると相当薄暗く寂しい場所である。
私が学生時代の頃の話ではあるが,同橋では,近くにある県立医大の末期患者が同橋で最期を遂げるのだ,と同級生の間ではよく噂されていたのを記憶している。
この噂の真偽の程は不明であるが,同橋には転落防止用の柵が平成21年(2009年)に設けられており,転落事故等,同橋から落下する「事故」が発生していたことは間違いないようである。
なお,余談であるが,同橋に限らず,阿武隈川自体,自殺を含めた水難事故が毎年発生しているような印象を抱いているところである。
令和元年8月25日追記
上蓬莱橋の写真を撮影したので追加掲載する。
上蓬莱橋の遠景。
付近には遊歩道が整備されている。
今回、同地を訪れた際、橋のたもとに「精霊馬」が置かれていたのを発見した(さすがに不謹慎と考え写真撮影していない。)。精霊馬は、キュウリやナスに割りばしを刺して馬や牛に見立てたお盆のお供え物である(お盆には、ご先祖様が馬に見立てたキュウリに乗り早く帰ってくる、そして、帰りには牛に見立てたナスに乗りのんびり帰る、という意味。)。
お盆を過ぎたこの時期に、しかも、さほど腐敗もしていない精霊馬がこのような場所に置かれていた・・・果たして、何を意味するものだろうか。この地で亡くなられた方の遺族が置いた、とも考えられるが、それならばお迎えしたい自宅にお供えするはずであるし、そもそも、お供えの終了した精霊馬は丁重に処分するのが一般的である(燃やす、土に還す、供養するなど。)。
考えれば考えるほど不可解な光景であった。